性別不合(性同一性障害・性別違和)について
性別不合・性別違和とは

生まれた時に割り当てられた性別と、ご自身が認識している性別(性自認)との間に持続的な不一致感がある状態を指します。以前は「性同一性障害(GID: Gender Identity Disorder)」という診断名が用いられていましたが、最新の国際的な診断基準であるICD-11では「性別不合(Gender Incongruence)」、DSM-5では「性別違和(Gender Dysphoria)」という名称が用いられています。
「性別不合」や「性別違和」は、精神疾患ではなく、性のあり方の一つとして理解されるようになっています。しかし、この不一致感に関連して強い苦痛を感じたり、社会生活上の困難を経験したりすることがあります(性別違和による苦痛)。治療や支援は、この苦痛を和らげ、その人らしい生き方をサポートすることを目的としています。
当院での診療について
あべメンタルクリニックでは、性別不合に関するご相談や診療を行っております。
院長の阿部輝夫は、浦安ジェンダークリニック委員会の委員長を務めており、豊富な経験に基づき、国際的な診断基準(ICD-11、DSM-5)や関連学会のガイドラインに沿った丁寧な診断・評価を心がけております。
診断や治療方針の決定においては、必要に応じて「判定会議」を行い、多角的な視点から検討を進めます。プライバシーに配慮し、安心してご相談いただける環境を整えております。
浦安ジェンダークリニック委員会について
前述の通り、当院院長の阿部輝夫は浦安ジェンダークリニック委員会の委員長を務めております。
この委員会は、性別不合の診断や治療方針の決定において、より慎重かつ多角的な検討を行うために設置されています。診断の確定やホルモン療法、外科的治療への移行など、重要な段階においては「判定会議」を開催します。
この会議には、精神科医だけでなく、必要に応じて他の専門分野の医師や専門家も参加し、ご本人の状況や意思を尊重しながら、ガイドラインに沿った最適なサポート内容を検討します。これにより、患者様一人ひとりに対して、より質の高い、丁寧な医療を提供することを目指しています。
治療とサポート
性別不合に伴う苦痛を軽減し、ご自身の望む性別での社会生活をサポートするために、様々な治療法や支援があります。当院では、ご本人の希望や状況に応じて以下の治療・サポートを提供しています。
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精神療法・カウンセリング:
性別に関する悩みや不安、社会生活上の困難について、精神療法やカウンセリングを通じてサポートします。ご自身のペースで自己理解を深め、意思決定を行えるよう支援します。 -
ホルモン療法:
身体的な特徴をご自身の性自認に近づけるためのホルモン補充療法です。当院では、ガイドラインに基づき、安全に配慮しながらホルモン療法を行っております。 -
書類作成のサポート:
医学的な診断に基づき、必要な意見書(診断書)を作成いたします。また、性別の取扱いの変更(戸籍変更)や改名など、法的な手続きに必要な書類作成に関するご相談にも応じています。 -
外科的治療について(連携医療機関への紹介):
当院では外科的治療(乳房切除術や性別適合手術)は行っておりませんが、手術を希望される方には、連携している専門医療機関をご紹介いたします。主な紹介先は以下の通りです。- 行徳総合病院
- 山梨大学医学部附属病院
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その他:
上記以外にも、必要に応じて他の専門医療機関や支援機関との連携も行います。
どのような治療やサポートが適切かは、一人ひとり異なります。まずは診察の中で、ご自身の状況や希望について詳しくお聞かせください。